天草本渡/祇園橋【重要文化財】【日本百名橋】
2008.02.29 (Fri)

九州には、古いものから新しいものまで興味深い橋がたくさんある。それらの橋を取材するために木曜夜の夜行バスに乗って熊本から鹿児島、宮崎にまたがる範囲をレンタカーで走り回ってきた。これから数日間は九州の橋を重点的に紹介していきたい。

熊本の西には天草諸島が点々としており、それらを数々の橋で結んでいるため陸続きになっている。そんな天草の中心地に本渡という歴史と文化にあふれる街があり、そこには国指定重要文化財(平成9年12月3日指定)に選定された石造りの橋がある。いままで石造りのアーチ橋は数多く取材してきたが、ここで見たのは、全て石でできた“10径間の桁橋”であった。各橋脚は5本の細長い砂岩を垂直に立ててその上に枕木を置き、その上に9~10本の桁を乗せ、両端に低いながらも高欄を乗せている。これら全てが四角い柱状の石を組み合わせてできているというのがスゴイ。

石造桁橋では日本最大で、長さ28.6m幅3.3mあり45脚の石柱により支えられています。自然石を切り出したものだから、真っ平らな材料はどこにもなく桁と桁との間には数センチの隙間が空き歩いていてもなんとなく足元がぐらつきそうな不安を感じたが、天保3年(1832)に架けられて以来、200年近くが経過しているが、その重厚で神が宿るような荘厳たる雰囲気に心が震えた。

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時代を超えた土木遺産
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